労働分配率を考える

労働分配率を考える

 

企業は事業活動により生み出した「付加価値」を基に、人件費などの諸費用を賄い、利益を得ているが、「労働分配率」とは、企業が生み出した付加価値額のうち、どれだけが労働者に分配されているかを表す指標である。大企業に比べて、中規模企業及び小規模企業では、労働分配率が長年にわたって高止まりしていることが分かる。

労働分配率が高い中規模企業及び小規模企業では、生み出した付加価値額のうち、営業純益として残る割合が、大企業と比べて相対的に低くなっている。労働分配率の上昇は、企業の投資活動を抑制する可能性がある。一方で、労働者への分配に対する意識が高まる中、成長と分配の好循環を実現するためには、労働者に対する賃金の引上げも欠かせない。

収益拡大から賃金引上げへの好循環を継続し、我が国経済を成長・発展させていくためには、起点となる企業が生み出す付加価値自体を増大させていくことが必要であるといえよう。

労働分配率と企業の投資活動のバランス、いつの時代も変わらぬ経営者の悩みの一つです。

(中小企業白書 2020抜粋記事)

投稿者プロフィール

伊達敦
伊達敦
東京都武蔵野市。
決算書の見方、経営分析などマネジメントに知悉している商社勤務の実務家。
統括責任者として全国3000社を超える販売店及び代理店の経営実態の把握、
経営指標の分析に辣腕を発揮した。
また霞が関の中央官庁との交渉窓口も担当する。
独創的な決算書解説や経営分析理論は、海外でも高く評価され、著書は海外でも翻訳されている。
商業高校出身の為、簿記の基本を学び、大学で簿記理論を体系的にしっかり学んだ。
大学在学中は、会計学の大家、中村忠教授、飯野利夫教授から 指導を受けた貴重な経験を持つ。
おもな著書 「まだ若手社員といわれるうちに知っておきたい会社の数字」講談社刊
中小企業研修協会代表。ファイナンシャルプランナー。
欅坂46、櫻坂46の大ファン。DVDをすべて揃えている。推しメンは、関有美子。