今さら誰にも聞けない経営者のための損益計算書の見方、読み方

経営者のための損益計算書の見方、読み方を学ぶ

経営者として、知っておくべき損益計算書の基本を紹介していきます。

損益計算書で、会社の営業成績がわかります。

経営者としての経営判断の成果が、年に1回、損益計算書として集計されるわけです。

身近な例で損益計算書を考えてみましょう。家計簿をイメージして下さい。
具体例として、高橋家の家計簿をみてみましょう。

高橋さんは、サラリーマン。奥さんと子供一人の三人家族です。

1ヶ月の高橋家の家計簿は、次のとおり。

収入は、お給料20万円。

支出は、食費7万円。アパート代5万円。水道光熱費1万円。保険料1万円。教育費2万円。
通信費1万円。雑費1万円。

高橋家の家計簿

まとめると次のようになります。

                    高橋家の家計簿           [単位:万円]

収入の部 
給与                          20
合計[A]                          20
支出の部 
食   費        7
アパート代        5
水道光熱費        1
保 険 料        1
教 育 費        2
通 信 費        1
雑   費        1
合計[B]                           18
残  高[A]-[B]        2

計算式であらわすと、つぎのようになります。

収入の合計[A]―支出の合計[B]=残高

20-18=2

高橋家は、毎月2万円の残高があることがわかります。

損益計算書の基本となる考え方も、基本的に家計簿と同じです。

ただし、名称がつぎのようにかわります。

・収入=「収益(しゅうえき)」・支出=「費用(ひよう)」・残高=「利益(りえき)」

「収益」とは、お金が外部から入ってくるもの。
「費用」とは、お金が外部へ出て行ったもの。
そして、「利益」とは、収益から費用を差し引いた残高を意味します。

高橋家の損益計算書

高橋さんの家計簿を損益計算書で表わせば、次のようになります。

                  高橋家の損益計算書                                   [単位:万円]

収益の部 
給与                          20
収益の合計[A]                          20
費用の部 
食   費        7
アパート代        5
水道光熱費        1
保 険 料        1
教 育 費        1
通 信 費        2
雑   費        1
費用の合計[B]                           18
利   益[A]-[B]        2

家計簿の「収入・支出・残高」の表現が、損益計算書では変わります。
損益計算書では、「収益・費用・利益」に変わります。

損益計算書に基づいて、高橋家の家計を表現します。
「高橋家は、毎月、2万円の利益が出ている」ということになります。

損益計算書によって、会社の営業収支である営業成績がわかります。

損益計算書は、収益・費用・利益の3つの要素で成り立っています。

損益計算書の3つの要素

「収益」・「費用」・「利益」

損益計算書は、英語でProfit&LossStatement(略してP/L)といいます。

つながりあう5つの利益

はじめて損益計算書を学ぶ人は、意外に思われるかもしれません。
損益計算書には、5つの利益があります。

「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」

これらの5つの利益は、それぞれ意味があり、バラバラに独立していません。
お互いが深くかかわりあっています。

それでは、損益計算書のつくりにしたがって、5つの利益を順番にみていきましょう。

売上総利益とは何か

まずは、「売上総利益」からスタートです。
売上総利益は、「会社のもっとも基本となる利益」です。

つぎの例題をつかって、売上総利益を考えてみましょう。

(単位:百万円)

[例題]

A社は、商品を800円で仕入れ、1,000円で売った。
このときの売上総利益は、いくらになるでしょうか。

売上総利益の計算式は、つぎのとおりです。

売上高―売上原価=売上総利益

すなわち、1000-800=200

例題の売上総利益は、200円です。

とてもシンプルに計算できます。
しかし、この売上総利益は、5つの利益のうちでもっとも重要な利益となります。

なぜなら、会社は、この売上総利益をつかって、さまざまな諸経費を支払うからです。
たとえば、社員のお給料やオフィス賃借料、電話代・fax代などです。
このため、売上総利益が、赤字の会社は、事業そのものに問題がある、と判断できます。

なぜならば、「商品を仕入れて売る。そして、利益を稼ぐ」という会社の基本的な仕組みで、利益が出ないということは、そもそも事業の基本が成り立っていないといえるからです。

売上総利益は、もっとも基本となる利益であると同時に、決して赤字であってはならない利益です。

営業利益とは何か

営業利益は、会社の「本業で稼いだ利益」です。
たとえば、自動車会社なら自動車の売上、製薬会社なら薬品の売上、ということになります。

このことは、製薬会社が、本業以外である株の運用で儲けた利益は営業利益ではない、ということです。

営業利益の計算式は、つぎのとおりです。

売上総利益―販売費及び一般管理費=営業利益

「販売費及び一般管理費」(略して販管費(はんかんひ))とは、従業員の給与や社会保険料などの人件費、
さらにオフィス賃貸料や接待交際費などがあります。
会社が事業をおこなっていくうえで、必要不可欠な経費のことです。
なお、販管費については、のちに別項目でくわしく説明します。

経常利益とは何か

さらに営業利益は、「経常利益」というタスキになって、引き継がれます。
経常利益とは、会社が本業以外で稼いだ利益を意味します。

営業利益のところで、「製薬会社が株の運用で稼いだ利益は営業利益ではない」と説明しました。
製薬会社にとって、株で稼いだ利益は、本業と関係のない利益だからです。
経常利益は、営業利益に営業外の収益と費用を加減して、計算されます。

営業外収益は、つぎのようなものになります。

受取利息、有価証券売却益、受取配当金など

受取利息―定期預金などから受け取る利息

有価証券売却益―株など有価証券の売買で稼いだ利益

受取配当金―株の保有などのよって受け取る配当金

営業外費用は、つぎのようなものになります。

支払利息、有価証券売却損など

支払利息―銀行などからの借入金による支払利息

有価証券売却損―株の売買によって、生じた有価証券売却損

経常利益の計算式は次の通りです。

営業利益+営業外収益―営業外費用=経常利益

税引前当期純利益とは何か

経常利益は、「税引前当期純利益」というタスキになって、引き継がれます。
税引前当期純利益は、その名のとおり法人税などの税金を支払う前の利益です。
経常利益に臨時的に発生した特別な利益と損失を加減した利益です。

特別利益とは、臨時的に発生した特別な利益です。

特別利益は、つぎのようなものがあります。

固定資産売却益など

固定資産売却益―土地や建物などの固定資産を売却したときの利益

特別損失とは、臨時的な特別損失です。

特別損失は、つぎのようなものがあります。

固定資産売却損、災害損失など

固定資産売却損―土地や建物などの固定資産を売却したときの損失

災害損失―不幸にも火災などによって、被(こうむ)った損失など

税引前当期純利益の計算式は、つぎのとおりです。

経常利益+特別利益―特別損失=税引前当期純利益

当期純利益とは何か

タスキは、最後のアンカーである「当期純利益」に渡されます。
当期純利益は、税引前当期純利益から法人税や都道府県税などを差し引いて、計算されます。

当期純利益の計算式は、つぎのとおりです。

税引前当期純利益―法人税等=当期純利益

法人税は、会社の利益に課税される税金です。
さらに法人税に連動して、住民税と事業税も課税されます。
これらを法人税等といいます。

当期純利益とは、一年間で、会社が稼いだ最終的な利益です。
つまり、利益のゴール地点です。

損益計算書のサンプル

損益計算書

〇×株式会社

                           自×1年4月1日~至×2年3月31日        (単位:千円)

科目金額
売上高1,000
売上原価800
売上総利益200
販売管理費及び一般管理費50
営業利益150
営業外収益30
営業外費用20
経常利益160
特別利益20
特別損失40
税引前当期純利益140
法人税等70
当期純利益70

決算書を知るうえで重要な

【経営分析】についてもっと詳しく知りたい管理職のために、わかりやすい解説をした記事をご用意しました。

こちらをご参照ください。
参考記事

今さら聞けない経営者のための経営分析