締日と支払日の違いとは何か

起業すると、常に取引会社に対する支払いに目を配らなくてはなりません。
約束した支払日までに支払わなければ、信頼関係が成り立たず、信用を失います。
実際にビジネスに身を置いた人なら実感するでしょうが、業界間の悪い噂が広がるのは、予想以上に早いものです。
あそこの会社は、支払期日までに代金を支払わない、となれば、他の取引先とも仕事ができなくなる恐れがあります。

会社間の取引では、代金を取引と同時に、すぐにその場で支払うケースはあまりまりません。
一般的には、あらかじめ締(しめ)日(び)と支払日を決めて、小切手や約束手形を使った支払いが行われます。

私たちの日常生活の買い物支払いとは、基本的に異なります。

毎月、会社は、取引があった多くの会社に代金を支払いを行います。
商品を仕入れた代金の支払い、あるいは、社内で使用する名刺や消しゴムなどの消耗品費まで、実に多くの支払いがあります。
ところで、会社は、その規模が大きくなれば、取引先から請求書が来るたびに、いちいちその都度、支払ったりはしません。
請求書が来る度に支払い作業を行ったのでは、非効率的だからです。
毎月決められた日に支払うべき請求書をまとめ、決められた日にまとめて支払います。

会社の場合、規模にもよりますが、ふつう、毎月、請求書の数は、100、200枚以上、あります。
ましてや、大会社となれば、何千枚という数になるでしょう。

このため、その取りまとめ作業を考慮した時間的余裕を確保する必要があるのです。
たとえば、ある会社の支払条件が「毎月20日締め、翌月末支払い」だとします。この支払条件の意味は、

「毎月20日までに請求書を締め切って、翌月末に支払います」

という意味です。

したがって、請求する側の立場になれば、3月20日迄に請求した代金は、4月末に支払われるということになります。
会社間の取引において、支払条件である締日、そして支払日の確認は、基本中の基本です。
実務では「締日・支払日」は重要な確認事項ですが、ビジネス書では、それほど積極的に説明されていないのは、不思議な気がします。

小切手とは、何か

会社間の取引金額は、私たち個人の取引金額に比べ、大きな金額になるのがふつうです。
このため、取引先に多額の現金を持ち運んで支払うというのは、大変ですし、なにより危険です。
これらの問題を解決する支払い手段が小切手です。
たとえば、1億円の現金を支払いのために落ち運ぶのは大変ですし危険です。
しかし、小切手なら1枚の証書ですみます。

小切手は、取引先に支払いを約束する証書です。

小切手は、その重要性から使用方法は、多岐にわたります。
覚えなければならないことも多いのですが、経営者として、知っておくべき基本を紹介していきます。
小切手の基本知識とチェックすべきポイントは、つぎのとおりです。

小切手の基本知識

小切手とは、現金の代わりに使われる有価証券です。受け取った人は、いつでも現金にすることができます。
これを小切手を換金するといいます。
小切手を発行することを「小切手を振り出す」「小切手を切る」といいます。

・小切手を受け取ったらどうするか

取引先で、小切手を受け取ったときは、つぎの4つのチェックポイントがあります。

①金額

②小切手の発行日

③振出人の会社名と代表者名

④印鑑

 

参考 小切手図解PDFあり。

小切手

なお、小切手は振出日の翌日から10日以内に銀行に持参し、銀行口座に預け入れるか、現金にします。
これを支払(しはらい)呈示(ていじ)期日(きじつ)といいます。

 

手形割引とは、何か

手形は、基本的には支払期日まで現金に換えることができません。
しかし、支払期日前に現金が必要である場合、手形割引(てがたわりびき)することで、現金を得ることができます。

手形割引(てがたわりびき)とは、手形を銀行に譲渡することです。
イメージとしては、手形を期日前に銀行に売り渡すことと思えばよいでしょう。
たとえば、手形の期日前に現金を得るために100万円の手形割引すれば、割引料として、2万円を差し引かれ、98万円の現金を得ることができる、ということになります。

 

手形の不渡り(ふわたり)とは、何か

支払期日に手形を銀行に持っていったとき、現金に換えられないことを手形の不渡りといいます。
これは、手形の支払義務者(手形を発行した会社)の当座預金に手形を支払うだけの十分な預金残高がないために起こる事態です。ですから、支払代金として、手形を受け取ったから、回収は安全というわけではないのです。
手形の支払期日になって、手形が、確実に現金となって、はじめて代金回収が完了したことになります。

なお、この手形の不渡りを6か月間に2回起こしてしまうと、手形の支払義務者は、「銀行取引停止処分」となり、事実上の倒産となります。

領収書を渡さなければならない

取引先から小切手や手形を受け取ったときは、領収書を手渡さなければなりません。
取引先に領収書を手渡すことで、「小切手や手形を確かに受け取りました」ということを証明することになるからです。

 

投稿者プロフィール

伊達敦
伊達敦
東京都武蔵野市。
決算書の見方、経営分析などマネジメントに知悉している商社勤務の実務家。
統括責任者として全国3000社を超える販売店及び代理店の経営実態の把握、
経営指標の分析に辣腕を発揮した。
また霞が関の中央官庁との交渉窓口も担当する。
独創的な決算書解説や経営分析理論は、海外でも高く評価され、著書は海外でも翻訳されている。
商業高校出身の為、簿記の基本を学び、大学で簿記理論を体系的にしっかり学んだ。
大学在学中は、会計学の大家、中村忠教授、飯野利夫教授から 指導を受けた貴重な経験を持つ。
おもな著書 「まだ若手社員といわれるうちに知っておきたい会社の数字」講談社刊
中小企業研修協会代表。ファイナンシャルプランナー。
欅坂46、櫻坂46の大ファン。DVDをすべて揃えている。推しメンは、関有美子。